湿布や注射をしても、もうどこへ行っても良くならない。
そう思っているあなたへ
家を建てるのには、緻密な設計図が必要です。さらに、いい家を立て住みやすい家として作ってもらおうと思うなら、大工さんの家に対する知識と深い経験が必要だということはお分かりになると思います。
なんとなく、設計図もなくカンを頼りにつくる家を何棟も立てられることはありません。
ヒトの体においては、家とは違い、完璧に出来ている状態で私たちは日々暮らしています。しかし、さまざまな理由で『完璧』ではなくなります。当たり前に『歩く』『座る』『立つ』こういったことが知らないあいだにできなくなっているのです。
その理由自体が原因なのですが、さまざまな理由は、悪くなる順番や、経過した年数が違うと対応がすべて変わってきます。それに加えて、脊柱管狭窄症の場合は、『症状がよくなっていくのを感じられにくい』という特徴があるために、対症療法に頼りがちになり、日常生活の中に大きな原因があるにも関わらず、その原因を取り払おうとせず、大きな問題である日常生活での悪習慣をないがしろにしてしまうことが一番の問題です。
ではなぜ、『症状がよくなって行くのを感じられにくい』のかというと、いくつかの要素が関係してくるからです。
これは、狭くなっている脊柱管内に対して、繰り返しの力が加わり続けたことによる変化によって、鍾乳洞形成のような時間のかかった変化をしていくからです。
悪くなるのに時間がかかったものは、リモデリングという形を修正していこうとするヒトの持つ治癒力によって、本来の身体の使い方をし続けているとその脊柱管内を狭くしているものを不要として、組織を吸収していく時間をとることが出来れば自然となくなっていくと考えられます。
しかしその時間には、本来の背骨の持つ動きの『曲がる・伸ばす・ひねる』という、それぞれのいい動きが取り戻されて、回復出来る環境が整っていくと、1ヶ月~3ヶ月程度でリモデリングされていくと考えられるので、動作の回復からそのくらいの時間が必要になります。
上記したように、回復には2つの段階をたどる必要があります。
(1)動作回復期
(2)組織リモデリング期
この2段階目までが経過していくまで早い方で3ヶ月ほどかかりますが、痛みに耐えられないと、3ヶ月はとても長く感じてしまうことが、リハビリに取り組む意欲をそぎ、いつまでも回復しない原因になっています。
脊柱管が狭窄してしまうと言われているこの症状は、とても技術と症例に対する知識を要する高難度の症例でもあります。
きちんと回復した例が少ない・皆無
症状発現までのメカニズムの正確な把握がなされていない
施術がとても難しい
患者さんをやる気にさせるために間違った方法で悪くしてしまう(対症療法と重なる部分です)
こういった理由から、回復までの過程を感じられないばかりか、回復にさえ至らないことがあるのです。
対症療法とは、『とりあえず』やっておこうという考え方です。
これとは反対の考え方としてあるのが、『根本的な解決法』ということになります。これは、脊柱管狭窄症特有の2段階回復の原因に由来する部分も少なくないです。
施術者側の考えていることとして、
すぐに変わらない
難しいからよくわからない
どうよくなっていくのか読めない
そもそも治せる自信が無い
こういった問題が、対症療法だけ済ませてしまう理由となります。
ちなみにこの対症療法として根本的な解決とならずに、回復するためには好ましくないいくつかの方法には、
飲み薬や塗り薬、シップでは動作の回復にはならない
ストレッチでは動作の回復に関与しない場合が多い
マッサージでほぐしてしまうことで関節の動きを悪くしてしまう
牽引してしまうことで、正常な組織・動作の回復を止めてしまう
コルセットをまくことで、骨盤の前後方向の動作制限を呼び、動作の回復を止めてしまう
腰をあたためてしまうことで、血流への過剰反応を呼ぶばかりではなく、動作回復の足かせになってしまう
ズレやゆがみを治そうと『ズレ』をとることに注力すると、関節本来のはたらきが失われるため、動作に変化が出ても回復期に正常なリモデリングが行われなくなります
このような代表的な対症療法によってそれぞれ、根本解決とは程遠い経過をたどることとなります。
その場の変化を追いかけることで向いている方向が180度変わってしまう例といえます。
困った顔をした写真を入れる
前述したように、脊柱管狭窄症の回復の過程には2段階必要です。
(1)動作の回復
(2)組織の回復とリモデリング
こういった理解がないばかりか、動作の回復には『正常歩行の再獲得』これが必要です。
正常な歩行の回復には膨大な知識と技術力を要するため、このことが脊柱管問題の回復のためのハードルを大きくあげています。
正常な歩行のためには、
疾病形成因子や治癒阻害因子といったマイナス要素の除外
重力に対してのバランスを取る『骨盤』のはたらき回復
全身にある、各種の重力感知機能の回復
といったことが必要になります。これらはマッサージや電気療法・手術といったような対症療法とは全く異なる診方であるため、多くの先生はこれらを合わせた知識と技術習得のための学習や技術研修をしている方がとても少ないのが現実です。
脊柱管狭窄症にはこんな症状があります
長い間歩けないが、しばらく休むとまた歩ける……間欠性跛行
前かがみになると楽
この2点が主な自覚症状です。
脊柱管狭窄症とは、首から腰骨までの脊柱(背骨)の中を椎間板や関節、黄色靱帯などで囲まれた脊髄の神経を通す道が狭くなり、神経に触れて生じる痛みやしびれによるものと、『間欠性跛行』という足に流れる血流が上手く流れなくなることで痛みやシビレが足にかけて走り、歩きにくくなる特徴的な症状と合わせて起こるものとされています。
特徴
歩きはじめてしばらくすると、だんだんと足がシビレたり痛みが出る・重くなるなどして歩くことが辛くなります。
そこで一旦休んで腰を丸くしたり屈めてしばらく休むと、また歩けるようになりますが、同じように繰り返しの症状を起こすことが特徴です。
しばらく歩いて、歩けなくなる時間には個人差がありますが、狭窄症のタイプや悪くなってからの経過によって違ってくるようです。
目安として、20分以上歩くことが出来なければ、症状としては重いタイプと考えてください。
腰部脊柱管狭窄症はどの神経が圧迫されるかによって、次の3つに分けられます。
神経根が障がいされるタイプ。
身体の使い方によって左右どちらかが障がいされ、片方の脚に痺れ・痛みが発生します。時に両側が障がいされる場合もあります。
神経の束である『馬尾神経』という部が障がいされるタイプ。
これに関与する多くの神経が影響を受けるので、神経根型よりも広範囲かつ多様の症状が出やすいことが特徴です。
馬尾型では、両側に症状が広がり、痛みや痺れの他にも脚の筋力低下や冷たい感じ<感覚の異常>や膀胱・直腸へ神経障がいが起こり、おしっこや排便コントロールが効かなくなることで軽い失禁をすることもあります。
神経根と馬尾の両方が障がいされるタイプです。
症状として馬尾よりも重く、両方の症状が出ることが考えれます。
脊柱管狭窄症の症状が出るまでの過程を考えると、少なくとも5年以上前から要因を抱えたものがそれぞれの経過を辿って発症していくものと考えられます。
椎間板の組織変化(変性)により起こるもの
脊椎の椎体・椎弓の骨の変形でおこるもの
椎間関節にある関節包の組織が厚くなることで(肥厚する)起こるもの
背骨の骨折や亜脱臼などによって起こるもの
すべり症(骨折や脱臼などによる縦方向のズレ)により起こるもの
すべり症以外の脊椎の回旋や横方向のズレによりおこるもの
上記のそれぞれが合わさった要素として起こるもの
1、神経圧迫で痛みは出ない
腰部ヘルニアやこの症例でも同様ですが、多くのメディアやHPなどを見ていくと、レントゲンやMRIで脊柱管内が狭窄した結果、神経の根っこの部分~その先の部分が圧迫されたことによって生じる痛みと解釈しています。
しかし、それは全くの誤解で、潰されるような力が神経にかかっているようで、実際に神経にかかる力によって神経が麻痺したり痛みが出る場合には、神経線維が引き伸ばされてしまい、炎症を起こして起こります。
症状としても、前かがみになって休んでまた歩けるようになる脊柱管狭窄症と、腰部椎間板ヘルニアの痛みの消失の仕方は異なっています。
また、神経が押し潰されるように圧迫されているならば、姿勢を変えた程度ですぐに収まるようなことはないでしょう。
50才を超えて坐骨神経痛が出た場合の40%は脊柱管狭窄症であるという調査結果があります。
70歳以上では、85%以上の方に脊柱管狭窄症があると言われています。
そうすると70歳以上の方はほとんど脊柱管狭窄症を患っていることになります。ですが、同じ70代でレントゲンやMRIで狭窄が認められても全く無症状で元気な方も多くいらっしゃいます。
反対に画像で狭窄はわずかしか認められないのに、強い症状が出ている方もいらっしゃいます。これが紛れもない加齢だけが原因では無い根拠になります。
また、「もう年なんだから」と病院で言われたりした方、、まだ諦める必要はありません。
「加齢」と「老化」は違います。
加齢は皆同じように平等に重ねるものですが、老化は人それぞれであり、過ごしてきた環境や習慣で違います。
80代で背筋もピンと伸びていて、スタスタ歩いて60代くらいの体力を持っている方や、反対に60代で腰が曲がっていて実年齢以上に見えてしまうこともあります。
ですから、年のせいとあきらめている方は、まだまだだいじょうぶです!
ではその改善法について、このあと説明していきます。
当院での改善法は、あなたの過ごしてきた環境や習慣や過去の運動歴やケガなどを含めた歴史を遡り、原因の部分を分析し一つ一つ取り除いていくことが唯一の改善法だと考えています。
ステップ1:疾病形成因子除去(初期~)
ステップ2:歩行機能改善(疾病形成因子の除去の目処が立ってから本格的に)
ステップ3:形質修復期の促進(歩行機能が改善してきた後に行います)
脊柱管狭窄症では、こういった施術の基本であるこのステップを正確に踏んでいく必要があります。
かんたんにまとめていきます。
ステップ1にて悪くしている要因をカウンセリング、検査ですべて取り払います。
ステップ2では、本来皆さんが持ち合わせている『正確に歩ける身体の働き』を、関節に潤いを与えながら関節の正常な動作を取り戻すべく施術し、改善していきます。
ステップ3では、ステップ2までで狭くなった部分を修復しようとする力『リモデリング』が働く環境が出来上がったのを確認して、さらにその働きが強くなるように必要な運動や施術を行っていきます。
痛みやしびれは本当に耐え難く、つらいものですが、症状が改善していく過程には痛みだけに着目して、それを取ることが『最良』とはなりません。
人には自然治癒力という素晴らしい回復力を持っていますが、良かれと思ってやったことが、実は良くないことであった……と、自らで悪くしてしまっていては、本来働くべき治癒力も十分に発揮することができません。
ですから、私どもの脊柱管狭窄症の改善のためのステップ3は、症状が回復していくために必要な条件をきっちり抑えたものにしてあります。
狭窄症の改善期間には、それまでの習慣や体力によって個人差があります。
あなたのつらい症状が落ち着くまでには早くて3ヶ月、平均6ヶ月と時間がかかります。
長年歩く機能が低下してしまっている方に関しては、歩行機能改善に時間がかかるため、1年近く掛かる場合もあります。理由は、この症状の一番の原因が『正常歩行が出来なくなった事による組織の変性』であるからです。
要するに、使わない身体のはたらきに合わせて、身体が変形するということです。
それだけに、①ネガ除去-②機能回復-③形質修復このステップは欠かせないのです。
この症状克服の必要なことは、目先の痛みばかりに執着せず、「数ヶ月間を頑張る」というあきらめない気持ちだけです。
この勇気さえふりしぼって頂ければ、私どもがあなたの勇気をしっかり受け止めます。まず最初の一歩を踏み出してあげてください。または、あなたの大切な方の背中を押してあげて、私どもにおまかせください!